
シリコンカーバイド:特集:主流になりつつある半導体
シリコンチップはほぼすべての電子製品に組み込まれていますが、用途によってはシリコンチップを超える効率が求められます。その中で、シリコンカーバイド(SiC)チップがシリコンに代わる高性能な選択肢として普及しています。VATの真空ソリューションにより、さらに多くの用途でSiCチップの持続可能な利用が実現されています。(読了目安:約2分)
標準のソリューションであれ特殊なソリューションであれ、大型システムの一部であれ完全なモジュールであれ、VATはその製品とサービスを通じて、信頼性の高い高精度バルブ技術により、画期的な世界的研究活動をサポートしています。その好例が、宇宙船用の新しい電気推進システムの開発に関する、ニュージーランドのPaihau-Robinson研究所との現在の取り組みです。
新しいHTS磁石およびフラックスポンプ技術が、まもなく国際宇宙ステーション(ISS)でテストされる。これと全く同じ磁石装置の技術が、大型宇宙船の推進にも使用できる、「磁場印加型電磁プラズマ加速(AFMPD)スラスター」というプラズマロケットの一種に組み込まれている。
出典:Victoria University of Wellington
パフォーマンスの大幅な向上
Paihau-Robinson研究所では、高温超伝導(HTS)の研究が精力的に行われています。というのも、いわゆる磁場印加型電磁プラズマ加速スラスター(AFMPD)の性能と柔軟性を大幅に向上させるためには、HTS技術が貴重な材料となり得るからです。
AFMPD推進の性能に対するHTS磁石の効果を詳細に調査するため、Paihau-Robinson研究所は、科学真空ソリューションを専門とするオーストラリアのScitek社の協力を得て、宇宙シミュレーションチャンバーを設置しました。現在、研究室ではスラスターのプロトタイプの開発が行われており、スラスターのHTS磁石部分は今後国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれ、宇宙の真空中でその性能を試されることになっています。
安定したガスフローによる大きな排気容量
真空チャンバー内において、アルゴンガス流量100sccmで約10-7mbarの作動圧力を発生させるためには、約50,000L/sという非常に高い排気速度が必要となります。これには、大型ルーツポンプ、強力なターボ分子ポンプ、4,200L/sのクライオポンプに加え、さらにプラズマからアルゴンガスを直接汲み上げるよう設計された、特別なマイスナートラップも必要です。これらのマイスナートラップがうまく機能するためには、チャンバー内の残留水分を最小限に抑える必要があります。これが、Scitek社が真空部品やその制御において、VAT 11.1、12.1、14.0シリーズのゲートバルブや、24.4シリーズのアングルバルブなど、信頼性の高いVATの高精度バルブを頼りにしている多くの理由の一つです。